どんな遺言があっても最低限守られる権利、それが遺留分です。

この遺留分の制度について、相続法改正で変わりました。

そこで今回は、遺留分制度が改正された内容について解説します。

目次

遺留分制度のおさらい

まずは、遺留分制度について簡単におさらいをします。

ある方が亡くなられたとき、その相続人が譲り受けることができる最低限の財産の範囲を法的に定めたものです。
例えば、父親が「すべての財産を長男に相続させる」という遺言書を遺して亡くなった場合、その通りになるとすると他の相続人は一切財産をもらえないという事になってしまいます。

そこで、残された家族が困らないように、このような遺言があった場合にも、相続人となった人には被相続人が遺した、財産の一定割合を取得する権利を民法で定めています。この権利の割合を遺留分といいます。

遺留分が認められるのは、相続人のうち配偶者、直系卑属(子、孫)、直系尊属(父母、祖父母など)です。兄弟姉妹は、相続人になるケースもありますが、遺留分はありません。
遺留分の割合は以下の通りです。

直系尊属(父母、祖父母など)のみが相続人・・・ 被相続人の財産の3分の1
配偶者、直系卑属(子、孫)が相続人・・・・・・ 被相続人の財産の2分の1


ただし、改正前はこの遺留分減殺請求権が行使されると、請求された財産が相続人全員の共有財産となる為、以下のような問題がありました。

例えば、
・自社株式が共有状態になることによって、事業承継を円滑に行うことができない

・不動産が共有状態になることによって、本来は売却して現金化する予定だったのに、反対する相続人がいて売却できない

・金銭が欲しいのに、現金化できない自社株式をもらったところでメリットがない

改正後は?

そこで、遺留分減殺請求が遺留分侵害額請求という金銭債権に変更され、遺留分は金銭で支払うことが原則となりました。

すぐに金銭が用意できない場合

遺留分侵害額請求を受けた人が、金銭を直ちに準備することができない場合には、裁判所に対し、支払期限の猶予を求めることができます。また分割払いをすることも可能になりました。

遺留分算定の財産の範囲が変わる

法改正前は遺留分の算定にあたっての財産の範囲は、過去に行われたすべての贈与がふくまれていた為、その額すべてが相続財産として計算されていました。

改正後は、遺留分の算定にあたっての贈与財産の範囲を、相続開始前の10年間、さらに「婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与」に限定することとしました。

遺留分侵害額請求はいつから?

遺留分侵害額請求の制度は、2019年7月1日が施行日です。
施行日以降に開始された相続が対象になります。

例えば、遺留分を侵害する生前贈与が施行日以前に行われていたとしても、相続の開始が施行日以降であれば、新制度(遺留分侵害額請求の制度)の対象となります。

施行日以前に開始された相続については、改正前の制度である遺留分減殺請求の制度の対象となります。

まとめ

今回の改正では相続財産の共有状態の回避や、よりスムーズな事業承継を実現する為の改正となっています。
また、遺留分を侵害された相続人にとっても金銭での請求ができるようになるという点は大きなメリットです。
これによって、遺言者の遺志を反映した相続がスムーズに行われるようになるよう期待されています。

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